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枕が変わったネズミは寝れない?

体温が理想通りに変動しても、それだけでは、眠れません。

悩み事があったり、寝る直前まで仕事をしていたり、ゲームやスマホで

脳が興奮したりすれば、なかなか眠りにつけません。

睡眠の質もかくほできません。

不眠症は脳の影響も大きいのです。

慢性の不眠症にかかるのは、人間だけですが、環境の変化による短期的な不眠

は動物にも起きます。

ラットやマウスを住み慣れたゲージから取り出し、新しいゲージに入れたとこ

ろ、眠りにくくなるという、実験データがあります。

「一過性ストレス性不眠」という不眠の研究をするときに、この実験法

を用いています。

中央に仕切りがあるゲージをつくり、片側にラット、片側にマウスをそれぞれ

1匹づつ入れ、行動や睡眠の変化を観察している研究者もいます。

仕切りの柵超しにお互いの姿もみえますし、においもします。

「新しいシェアハウス」といったところです。

実験動物として用いられるラットとマウスは、日本語ですとどちらも「ネズミ」

ですが、ドブネズミがルーツのラットとハツカネズミをルーツに持つマウスは

改革がかなり違います。

10倍近く体重が重くて大きなラットのすぐそばにおかれたマウスは、

不安とストレスで不眠になります。

マウスの不眠にも、市販されている睡眠薬は効きます。

しかし、このような異種の動物を用いた実験は、「動物飼育規定」や「動物実験

倫理規程」で問題になることが多いです。

人間でも、ルームメイトが自分の体重の10倍もあれば、おちつかないでしょうね。

最近では「あるマウスの飼育に2週間ほど使用したゲージに新しいマウスを

入れると、不眠が誘発されることがわかっており、これも一過性の不眠症です。

人間の世界で再現するなら「掃除ができていない、汗臭い安い宿に泊まって

すぐには寝付けない」状況に置かれているようなものです。

つまり、環境が変わると脳が反応して、人は不眠症になる可能性があります。

旅先で眠れなかった経験は、誰にでもあると思いますが、これは環境の

変化が脳に刺激を与えて、脳が「「安宿のマウス」状態になり、入眠が妨げられ

ていることにほかなりません。

500ミリグラム程度の脳しか持たないマウスでさえこれほど反応するのですから

ら、はるかに脳が発達している人間が、環境の変化やわずかな刺激で眠れなく

なるのも、当然かと思います。

好奇心旺盛な人でも、眠りにつく前の脳はチャレンジを好みません。

逆にいいますと、いかに「いつも通り」を保つかが、脳のスイッチを

睡眠モードにするうえでヒントになります。

「眠りの天才」は頭を使わない。

飛行機の預け入れ荷物に、「フラジール」というシールを張られることがありま

す。「脆性」ということばですが、簡単に言うと「壊れ物注意」ということです。

睡眠も外的な状況に非常に影響を受けやすいので、「フラジール」といわれます。

私たち人間は寒くても暑くても眠れません。

うるさくてもだめ、静かすぎてもだめ、「明るいといや」な人もいれば、

「暗いと眠れない」という人もいます。

そこで、「眠る環境」が大切になってきますが、どんなに良い環境でも、

脳が働いていたらねむれません。

脳は睡眠の大切なスイッチです。脳を休息状態にしなければなりません。

そのためにどうすればよいかは、研究が始まったばかりで、

科学ではまだ解明されていないこともたくさんあります。

たとえば「光」。よく、「スマホやパソコンの画面から放たれるブルーライト

は睡眠に悪い」といわれていますね。ブルーライトの影響を睡眠に及ぼそうと

思えば、かなり、画面に顔を近づけてじっと見続けることをしないといけない。

スマホやパソコンが睡眠に影響を与えるのは、ブルーライトというよりも、操作

で脳を刺激しまうことにあると言えます。

わたくしも、おそくまで、パソコンを操作しているほうで、てっきり

ブルーライトのせいと思っていました。かかりつけの医師にも

そういわれましたが、ちがうんですね。

基本は、寝る前は何も考えないこと。行ってみれば「眠りの天才は頭を使わない」

のです。いつもの環境で頭を使わない、そんな脳のスイッチを

紹介します。

脳のスイッチ①「モノトナス」の法則

だからといって「何も考えるな」といわれても難しいですね。

そこでちょっと角度を変えてアプローチしてみましょう。

ハイウエーで運転中に眠くなる原因のひとつは、風景が変わらないことです。

そうですね。トンネルの中など、にがてですね。

単純な状況ですと頭を使わないので脳は考えることをやめ、退屈して

眠くなります。モノトナス(単調な状態)にすることは、眠るための脳のスイッ

チです。できる限りの「モノトナス」を意識しましょう。

眠る前の娯楽は、頭を使わずに、リラックスして楽しめるものがいいですね。

犯人が知りたくて夢中になるミステリーよりも退屈な本、アクション映画より落語が

睡眠には向いています。(モノトナスな映画は興行になりません。)

動画は気になると見入ってしまいますね。

退屈」は普段は歓迎されませんが、睡眠にとっては「良き友」なのです。

退屈さによって脳のスイッチがオフになり、深い眠りがやってくるのですから。

「脳の関所」はこう突破せよ!

「いつものパターン」を好む脳の性質を利用すれば、「睡眠のルーティン」

も役に立ちます。常に結果をのこすアスリートが試合前にいつも同じ下着

をはき、いつも同じものを食べ、いつも同じポーズをとるのと

似ています。イチローなども、独特の構えをいつも同じように

みせてくれましたね。

アスリートの場合はこうして「よけいなことを考えずに、試合に集中する。」

眠る人の場合は「無駄なことをかんがえず、かんがえないままスイッチオフで眠る。」

いつも通りのベッドで、いつも通りの時間に、いつも通りのパジャマを着て

いつも通りの照明と室温で寝る。入眠前に音楽を聴くならいつも同じ単調な曲

不眠症の認知行動療法でよく言われるのは、「眠れなかったらベッドから離れる」

ということ。ベッドは眠るための場所で、本を読んだりテレビを見るためのもの

ではないという正しい条件づけを脳にしてやるのです。

これはk峰かがある治療法ですが、不眠症までいかず、すでにベッドで読書や

テレビを見るのが習慣になっている人は、「いつものパターン」ということで、

必ずしも、やめなくていいと思います。

ただし、テレビも本も刺激が少なく退屈なものにしておきましょう。

その意味では、スマホは危険です。ゲームも検査もできるし、メールも

チェックできてしまう。交感神経を上げるようなものは、極力排除しよう。

眠れているようでも、90分の質が悪いと思います。

脳のスイッチ② 正しいひつじの数え方

睡眠ルーティンとして古くからある方法が。「羊を数える」というものがあります。

しかし、日本語で「羊を100匹数えると眠くなる」というのは間違っています。

アナウンサーなどの訓練を受けていない限り、「ヒツジガイッピキ、ヒツジガ二

ヒキ」と、すらすらとつぶやけないでしょう。

「ヒツジ」はさほど発音しやすい言葉ではないと感じる。

この睡眠ルーティンはもともと英語で、アメリカ人やイギリス人の羊の数え方

は、「sheep、sheep、sheep・・・」。です。

諸説ありますが、sleepと発音が似てるからだとか、「シープ」というのがいい

やすく、息をひそめるような響きなので、眠りを誘う効果があるともいわれています。

英語が得意でない人でも「ヒツジガイッピキ」より「シープ」のほうがいい安いでしょう。

昔から伝わっていることでも、「なぜ、それが効果的か」の根拠の部分を知れば

意味がないことがたくさんあることがわかるでしょう。

逆スイッチ「貧乏揺すりをすると眠れない?

電車に乗っているときに眠くなるのは、リズムのある揺れが眠気やリラックスを

促すためだと言われています。

これは、電車の動きは「1/fゆらぎ」だからだという研究者もいます。

赤ん坊が気持ちよさそうに眠っている。「ゆりかごの揺れ」もそうです。

「1/fゆらぎ 」には、「予測できない空間的な変化、時間的変化、動きを持つ」

という特徴があり、「規則正しい音」と「ランダムで規則正しくない音」との

中間のさします。

人を心地よくし、ヒーリング効果があるとよく言われるので、名前を聞いたこと

があるかもしれませんね。心拍や呼吸、α波やノンレム睡眠時の脳波も、実は

1/fゆらぎ をさします。私たちの体のリズムの多くは、もともと 「1/fゆらぎ

をもっているのです。

「貧乏揺すりで電車の揺れを再現したら眠気は訪れるか?」という質問を

受けたことがあります。それはなかなか難しいことです。

仮に貧乏揺すりで 「1/fゆらぎ 」となるほど完璧に電車の揺れが再現できても、

眠りのスイッチとはなりません

なぜなら、自分で「貧乏揺すり」のようなリズムのある揺れを作り出す時、

脳波リズムをつくろうとしてフル活動しているからです。

これはモノトナスに反します。一生懸命、ダンスの振り付けをコピーしている

時に、「右手を突き出して足を上げる。」などと脳は筋肉に指令を出し、

リズムやメロディーをキャッチし、次の段取りをを考えています。

自分で貧乏揺すりをするのはこれと同じことなのです。

アクテイブモードで興奮しているとき、脳は眠ろうとしません。

眠りに不向きな状態といえます。

単なるリズムのある揺れでは眠りはやってきません。

パッシブな状況が不可欠なのです。受け身になってリズムに

身を任せてこそ、入眠モードになるのです。

「受け身が大事」と考えれば、寝る前の運動は考え物なのです。

たとえば、「ストレッチ」は質の良い眠りを連れてきてくれそうですが、

あまり真剣にやりすぎると脳が能動的になり、眠りを遠ざけてしまいます。

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