こうすれば、すぐに・ぐっすり眠れる!
「睡眠は始めが肝心」といっても、多くの人は寝つきの悪さに苦労している。
毎日同じ時間に就寝するというやり方はサーカディアンリズムにあっており
寝つきをよくして、深く眠るのに効果的なアプローチです。
あなたのライフスタイルが、「規則正しい生活を送ることも可能」
であれば、毎日の就寝時間と起床時間(とりわけ就寝時間)を固定してください。
これも立派な認知行動療法の一つです。
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しかし、規則正しい生活を送れない人もいますし、普段は規則正しくても
「明日は出張で4時起きだから、今すぐ眠りたい!」という日もあるでしょう。
90分だけ眠ってから資料を仕上げたい夜も、素早く眠れなければ
時間が無くなってしまいます。
そこで、子供のようにすぐに眠れる、2つのスイッチを紹介します。
そのスイッチとは、ズバリ「体温」と「脳」。「体温」と「脳」というスイッチ
によって、あなたの体と頭はスリープモードに切り替わり、睡眠が劇的に
変わります。
スムーズに眠りの世界の入口へとたどり着き、より深く眠れる
たとえ量が少なくても、質を最大限に高められる。
途中で目が覚めてしまう悩みも減る
そして翌日は頭がさえ、パフォーマンスが向上する。
つまり、体温と脳は入眠を促すだけではないのです。
睡眠の量が多くても少なくても、しっかり、「質」を高めてくれる
何とも、頼もしい見方なのです。
赤ん坊も知っている「体温のスイッチ」
まず、質の良い睡眠であれば体温は下がります。この体温の低下が睡眠には
かかせないのです。人間の体温は、睡眠時より、覚醒時のほうが高いです。
睡眠中は温度を下げて、臓器や筋肉、脳を休ませます。
覚醒時は体の温度をあげて体の活動を維持します。
ただし、これはあくまで、体の内部の体温(深部体温)の変化のことです。
体温は、「筋肉や内臓による熱産生」と「手足からの熱放散」によって調節
されています。
深部体温は日中高くて夜間低いですが、手足の温度(以下、皮膚温度)は全く逆
で、昼に低くて夜は高いです。
覚醒時には、通常深部体温のほうが皮膚温度より2℃ほど高く、皮膚温度が
34.5℃の人であれば、起きているときの深部温度は36.5℃ということになります。
健康な人の場合、入眠前には手足がが暖かくなり、皮膚温度がが上がって熱を
放散し、深部体温を下げています。
この時、皮膚温度と深部体温差は2℃以下に縮まっています。
つまり、スムーズな入眠に際しては深部体温と皮膚温度の差が縮まって
いることがカギなのです。
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なんか、西野先生の話、むつかしいですね。このへんは
さらっと読み過ぎましょう。
早く結論が知りたいですね。
皮膚温度が34.5℃の人であれば、睡眠時の深部体温は36.5から36.2℃程度の下が
っています。
赤ん坊が眠くてむずがっているときは、ほっぺが赤くなって手足はぬくいですね。
これはわかりやすいですね。
(大人はこれほど極端な変化はないですが、同様の変化が生じて
います。)
入眠時にはまず、手足から熱放散が起こり、続いて深部体温の変化が
おこります。
この変化を助けてやれば、入眠しやすくなります。これは人間での実験により、
実証されています。
そうか、足がどうも寒く靴下をはいてねるのはこのためなのかなあ?
入眠時には深部体温をさげて差を縮める。
これが黄金の90分を手に入れる1つ目のスイッチです。
頭が睡眠モードに切り替わる「脳のスイッチ」
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この章の冒頭でウオッカを飲むオペラ歌手のエピソードで、「喝采と歓声に
包まれた脳と体は極度の興奮状態にある。」の書きました。
ビジネスパーソンの脳も、興奮、緊張している時間が長いですね。
仕事のストレスや肉体的な疲労は、脳をつねに活動モードにしてしまう
からなのです。
また、仕事以外にも、運動や、食事、スマホやコンピューターなど、脳を眠らせ
ないトラップは無数にあります。
こう考えますと、ビジネスパーソンだけでなく、現代人はみんな、
24時間脳が興奮しているといっていいです。
また、脳が興奮していると体温も下がりにくいのです。
不眠症にもいろいろな原因がありますが、いわゆる「原発性不眠症」
(身体疾患や、精神疾患などの特定の原因がみいだせない不眠症)では、
不安定な体温降下深部体温の上昇が続く「過剰な覚醒状態」にあるという説も、
昨今注目されています。
だからこそ、ウオッカよりももっと一般的で効果がある、
脳のスイッチを知っておきましょう。
「脳のスイッチ」を適切に切っていくことで、眠り始めの乱れを防ぐ
ことができます。
明るい部屋と暗くて落ち着いた部屋、どっちが眠りやすく、ぐっすり
眠れるでしょうか? 答えはきっと後者に集まるでしょう。
わたしも、そう思いました。
そんな落ち着いた部屋で眠るため、寝室までの各部屋や廊下の電気を
順番に切っていく。「脳のスイッチオフ」とはそんなイメージでしょうか。
それではここから、スタンフォードでの睡眠研究で得た知識を
総動員した、より実践的な「睡眠メソッド」にステージを映します。
あなたからつかの間離れていた、「最高の眠り」をもう一度手繰り寄せて
見よう!
いよいよ、核心ですね。明日をお楽しみに。