5「眠気」を制する者が人生を制す
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「睡魔」はあなたの敵か、味方か

なぜ、「夜以外」も眠たくなるのか

眠りを巡る旅の締めくくりで、ビジネスパーソンを悩ませる「眠気」について、

考えていきましょう。

眠気の正体を暴き、それをどう解消するかは、私の専門である「ナルコレプシ

ー」の大きなテーマです。

そこで得た知見を、あなたにもシェアし、実際の行動指針の述べていきましょう。

人間は16時間連続して覚醒していられるとされていますが、眠気というのは

厳密には「まとまった長い覚醒を維持できない状態」のことを指しています。

ナルコレプシー患者の場合、眠気が頻繁におきますし、入眠潜時が1~2分と極

端に短い。そのため、1日中眠気があり、、入眠に時間がかからないので

一瞬で居眠りをするように見える。「「ナルコレプシーの眠気」で特徴的なのは

短い昼寝をすると、眠気が1時的に消えることです。

しかし、それは長続きせず、2時間ほどすると、また耐え難い眠気に襲われます。

健康な人の場合、極端な睡眠不足でもなお限り、眠気は1日中つづくわけではないです。

入眠するにも多少の時間がかかる。

前に述べた、スタンフォードの「A90minuteday」実験では、ナルコレプシーの

患者と健康な人を比較しています。

すると、健康な人でも1日のうち14時ごろが眠ってしまいやすい時間だと

わかりました。うとうとしてしまう、午後の眠気、これは「アフタヌーンディッ

プ」と呼ばれる現象です。

アフタヌーンディップの原因は、大きく分けて2つあります。

1つは、睡眠負債によって睡眠圧が増してくること。

もう一つは、「サーカディアンリズム」や90~120分でやってくるとされる

「ウルトラディアンリズム」などの体内時計の問題です。

どちらの影響にせよ、眠気に襲われて眠るのは、以下の3つです。

・朝起きても眠気が消えないパターン

・昼食後眠気に襲われる「アフタヌーンディップ」のパターン。

・日中。例えば退屈な会議中にやってくるおなじみの「眠気」

いずれにせよ、知識を得てからのほうが眠気と付き合うも納得して実行しやすい

ので、まずは順番に原因を探っていきましょう。

「朝、目覚めが悪い」のはなぜ?

何とか目を覚まし、起き上がったもののさっぱり眠気がとれない。

出勤までの時間もなく、朝の光とシャワーを浴びて朝食をとらなければ

ならないのに、眠くて朝の光を浴びんながらぼんやりしてしまう。

こんな1日の始まりの裏には何が隠れているのでしょう。

まず考えられるのは、慢性的に眠気がたりず、「睡眠負債」を抱変えている

ことです。あまりにも睡眠が足りていなければ、少し寝たくらいでは負債は

返済できません。

また、こういう状態だと短い昼寝でもリフレッシュできんあいことも、

加えておきます。「仮眠」の効果がよく取り上げられていて、たしかに、ナルコ

レプシー患者は短い昼寝でリフレッシュできるのですが、睡眠負荷からくる

眠気においては、短い昼寝で眠気を解消するのは難しい。

もし、「起きかけの眠気」が何日も続くのに、睡眠不足の自覚がないなら

睡眠時無呼吸症候群を疑ってほしいです。眠っている間、無呼吸になって脳が

覚醒反応をしめしても、必ずしも完全に起きるわけではないので、無呼吸の自覚

がない場合が多いです。

睡眠のパターンが乱れると、目覚めやその後の活動の準備ができません。

過度の飲酒や慢性的な睡眠不足は乱れを助長し、明け方になっても「長いレム睡

眠」が現れにくい。そのため、ノンレム睡眠から無理やり起床する可能性が強ま

り、目覚めが悪くなるのです。

生活リズムの乱れは、そっくりそのまま睡眠リズムの乱れにつながる。

そうなると、「眠り始めの90分」は簡単にさび付き、活動の準備が整いません。

さらに、最初のノンレム睡眠の大事な役割である「睡眠圧の解消」もうまく

できないため、明け方になっても眠気が残ってしまいます。

そのために「起きても脳がボーーッとします。この残った眠気に脳が

引っ張られる現象を「睡眠慣性」といいます。

「眠り始め」を損なわないように工夫するとともに、目覚まし時計をウインドウ

でセットするといった方法で、起床のタイミングもレム睡眠の時にうまく

合わせてください。

ランチは「食べても」「抜いても」眠い?

「アフタヌーンディップの原因は、睡眠負債とサーカディアンリズムの影響が

大きい」というと、首をかしげる人もいるでしょう。決まって、

「え、ランチを食べたせいでしょう?」と反論があります。

しかし、これまたスタンフォードの研究「昼食は午後2時ごろに起きる入眠潜時

の短縮(眠気の襲来)には関係ない」という実験結果がでており、生物的に

ランチは午後に眠くなる要因ではないのです。

アフタヌーンディップ対策としてもさまざまなことが試されています。

なかでも、効果が見られたのは、「朝1~2時間長めに眠る」という朝寝坊法

朝寝坊をすれば、アフタヌーンディップが多少軽減するということです。

といっても、「遅寝遅起き」はおすすめしません。「起きる時間を遅く

すると、午後の眠気が軽くなる」なら、それは慢性的に寝不足であることを示す

証拠にほかならないのです。そもそも、寝不足自体に午後の眠気を強める作用が

あるので、この朝寝坊法は「その場しのぎ」の対策で、根本解決にはなりません。

いつか必ずつけを払わされます。

ただし、私たち多くは「ランチの後は眠い」という自覚があるのも事実です。

いったい、どういうことでしょう?「食事をとると、消化のために腸にいく血液

減る」とよくいわれますが、どんな状況でも、脳血流は第1に確保されます。

なので、ランチ後の眠気は血液の問題ではありません。

「満腹感によって意欲が低下し、何もする気が起こらず、眠いと感じる」という

のが、筆者の見解です。

ランチ後に訪れるのは、厳密にいえば「眠気とは違う倦怠感」といったものでしょう。

両者はなかなか区別はつきにくいですが、少なくとも「朝食後眠い」というの

は、聞いたことも、経験したこともないですね。

14時ごろにやってくる「けだるさ」とランチは関係ないのです。そして、これは

「眠気」とも違う・・そうはいっても、実際に問題がおきているのなら、

対処する必要があります。心掛けるのは、ランチにはヘビーミールを選ばないこと。

あまりに重い食事をとると血糖値にも影響が出て、極端な場合はオレキシン

などの、覚醒物質の活動を押されてしまう可能性もあります。

仕事をはじめたら昼は食べないという習慣を続けており、それが体質に合って

いるようです。現代社会において、ヒトは捕食動物ではないのですが、空腹時

にはオレキシンの分泌が増え、覚醒度が上がります。

たまに来客があると、スタンフォードの教員用ラウンジでランチをとります。

種類が豊富でサーブも早いブッフェなので来客には喜んでもらえますが、

筆者はハーフサイズのサンドイッチのみです。

渡米したばかりのころは、喜んであれこれ食べていましたが、午後ぼーーと

して使えなくなるので、今のスタイルに落ち着いたわけです。

当たり前のようにハーフサイズが用意してあるということは、健康ブーム

の影響もあるでしょうし、「昼は軽く」というニーズがスタンフォードの職員に

は多いのでしょう。

もっとも、日本人には「これでハーフか?」と首をかしげることもあります。

アメリカ人の通常の食事量からすると、抑えていることは間違いないです。

ランチは軽めで、ヘビーミールを避ければ、午後の倦怠感防止に役立つ。

また、食べる時も、「噛む」ことを意識してください。

退屈な会議にやってくる「睡魔」の正体?

ただし、それだけでは、「眠気」は回避できません。

なぜなら、ランチをとろうが、とるまいが、「アフタヌーンディップの影響で

14時ごろには必ずといっていいほど、「眠気」がやってくるからです。

それに、14時以外の時間帯でも「眠い」と感じることが多いのではないでしょうか。

99%の人がつぎのような「寝てはいけないとき」に眠気をかんじたことがあるでしょう。

・大学の授業中、机に突っ伏して寝てしまった。

・部長ばかりがしゃべる長い会議中、うつらうつらしてしまう。

・単調なデスクワーク、気が付くとよだれが書籍に垂れていた。

アフタヌーンディップにかぎらず、なぜ「眠気」はやってくるのでしょうか

突然襲ってくる睡魔はこれまで見た通り、体温や室温の変化によって誘導

されることもあれば、ひょっとすると睡眠量が十分でなかったり、質が悪かった

ために起きているのかもしれません。

なので、基本的には「最初の90」の質を高めれば、睡魔に出くわす機会も

減ります。

しかし、そうはいっても、明日から即「最高の睡眠」にかわるとも限りません。

ここからは、目先の「眠気」にどう立ち向かえばいいのか、スタンフォード式の

アンチスリーピング術を述べていきます。

ぜひ、お昼にでも思い出してほしい。

たちどころに眠気が消え、クリアな世界があなたのもとに戻ってくる

はずです。

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