ぐっすり眠るための睡眠時の4つの習慣
ぐっすり眠るための、睡眠時の4つの習慣
ここまで私が眠りについて伝えてきたことは、どれもとてもオーソドックスな快眠論です。
眠りのもたらす効果も、心地よく眠るための様々な方法も、もしかしたら
「なんだそんなことか?」とおもわれたかもしれません。
大切なのは、正しい睡眠こそがストレスをその日のうちに苦し、リセット
するための最良の方法だと意識すること。
そのために必要な儀式として、これらの方法を毎日の習慣にしっかり取り入れて
ください。
思い付きでたまにやるのではなく、眠りの大切さを自分にしっかりと理解させて、
実践するとき、前向きに睡眠に向かうことがどれだけ心地よい
眠りにつながっていくか、はっきりと気が付くはずです。
睡眠時の4つの習慣づけとは
1.仰向けね
2.鼻呼吸
3.適正な寝具
4. 安眠のための適度な運動
これら4つの重要性については、これまでの記述できっと理解していただいたと
思います。
では、具体的に確実に実行するためにどうしたらよいか。
それについて、次の章で詳しくご紹介していきたいと思います。
1.仰向けが正しい寝姿勢
◆正しい寝姿勢
寝姿勢の基本は仰向け寝です。
立って本を読むくらいの首の傾き方が、そのまま横になったものと考えると
イメージしやすいかもしれません。
横向きに寝ると、肩が圧迫されて肩こりがひどくなったり、
四十肩、五十肩の原因にもなったりします。
正しい寝姿勢を保つには、適切な硬さや高さの
枕と布団を選ぶことも大切です。
一晩に寝がえり20回を意識する
仰向け寝を意識したら、あとは寝返りを正しく打つ練習をしてみましょう。
入眠時に仰向けで、朝方おきたときも仰向けに寝られていたら合格です。
なおかつ、それだけでは背中を圧迫するので、寝てしまってからの
無意識による寝返りは、20回程度うつのが理想的です。
もちろん、自分で回数がわかるはずはありませんが、
寝返りが打ちやすくなるよう、寝る前の「寝返り体操」をお勧めします。
やり方は、ごくごく簡単です。
図の要領で行ってください。
これをするだけで筋肉量が増えてきて、眠りながら
布団の上でくるくる回れるようになるのが不思議なほどです。
手間がかかったり、j間が必要だったりするうんどうではありません。
1日ですぐに効果が上がるわけではありませんが、
地道に毎日続けてみてください。
うまく回るためには、敷布団の硬さや、まくらの固さなど、いろいろな要因が
絡んでくるのですが、まずは、寝返りの体操を習慣づけるのが大切です。
2.寝床に就いたら意識して鼻呼吸
◆鼻から空気を通す癖をつける
昔の人は、しつけによって正しい姿勢を保ち、鼻呼吸ができていたことは
前に述べました。
では、現代人はなぜ鼻呼吸ができないのでしょう。
それは、寝姿勢による習慣づけの問題です。
寝姿勢が良くないために口が開いたままになり、睡眠中に
口で呼吸をしてしまいます。
すると、呼吸で使われていない鼻の中で炎症が起こって鼻炎になり
呼気の通りが悪くなるために、知らず知らずのうちに口呼吸の癖がついてしまいます。
こうして口呼吸が定着してしまうと、なかなか鼻呼吸には戻れません。
良い眠りの基本姿勢でもある仰向け寝も習慣づけることができますが、
横向き寝でばかり眠っていると。横向き寝も習慣づいてしまいます。
人間の癖とはおそろしいものです。その癖が体に良いとは限りません。
癖によって体に負担がかかり、痛みや不快さを感じるようになっても
それがある意味当たり前になってしまいます。
つまり、眠りに関しては、正しい知識と正しい運動を身に着けないと
自然いまかせたままでは、どんどん痛みや睡眠障害が深刻になっていく可能性があります。
そこで、これから鼻呼吸を習慣づける方法としては、起きている間は
常に意識して鼻呼吸をおこなうこと。
鼻づまり気味の人は、毎日湯船につかって湯気を吸いこみ
鼻の通りを改善しましょう。
体も温まることで、抵抗力を高めます。
また、鼻うがいも鼻の通りを良くしてくれます。
鼻うがいは風邪や花粉症の時期に流行しますが
方法は単純です。
鼻から水を吸い込み、口から出すだけ。最初は勇気がいりますが
慣れてくればv、痛みや苦痛もなくできるようになります。
3.安眠の環境作り
◆正しい枕の選び方
安眠グッズと言われて皆さんがまずイメージするのが、枕ではないでしょうか。
ぐっすりと眠るには、枕は欠かすことができません。
ぴったりあった枕を探してみましょう!
正しい枕の選び方で、基準となるのは、高さと硬さです。
高さは、個人の首の長さなどの体格差もあります。
最適な高さは,あおむけに寝て、頭に当てたときに
顎の下にしわが寄らない程度。
しわが現れたら、それはあなたにとっては、高すぎる枕ということが言えます。
それは口呼吸を誘発してしまうので、やめましょう。
もちろん、低すぎて顎下にツッパリ感を感じてもいけません。
寝ているうちに息苦しさを感じ、自然と口が開くようになってしまいます。
次に確かめるのは枕の固さです。
ある程度の固さは必要です。
肩や首に痛みを感じている人は、ついつい柔らかい枕を選んでしまいがちですが
それは間違っています。
柔らかい枕は一見とても寝心地が良く感じますが、寝返りが減ってしまうため
長時間同じ姿勢を続けることにより、体の痛みを引き起こしてしまうのです。
その点、硬めの枕は寝返りが打ちやすくなり、頻繁に姿勢を変えるために、
体の1点に負担が集中することが少なくなります。
枕の理想的な使い方は、基本的にはやはり仰向け。
入眠時には仰向けで、朝方起きたときにも仰向けに寝られていたら合格です。
硬い枕に最初は違和感を持つかもしれませんが、体に自然な寝姿勢を
作るものなので、慣れれば快適に感じるはずです。
デパートや有名寝具店によっては、首の高さを図る機械があり、
お客様の体形に合った枕をえらぶことができます。
自分で測定するときは図のようにやってみてください。
◆枕が安眠をつれてくる
お勧めする枕の高さは、基本的に3種類あります。
すべて血液の循環を高めて心地よく寝入るために、
欠陥が集中する首の後ろを支えるサポート部と、
就寝中の動きに合わせて頭部を包み込むクッション部に分かれていて
仰向け寝と寝返りがしやすい作りになっています。
眠っていても自然に脳に酸素を送り込む機能的なつくりの枕で
3種類の高さは、体格に合わせて選んでもらいます。
1~2㎝ 一般の女性におすすめ
3~4㎝ 一般の男性におすすめ
5~7㎝ 普段から高めの枕に慣れている人、体格のいいひとに進めています。
ここでもう一つ必要なのが、敷布団との組み合わせです。
敷布団の硬さで枕の最適な高さも変わってくるからです。
正しい姿勢は、敷布団と枕の組み合わせで生まれます。
手で押したときに、柔らかく沈み込む敷布団なら、枕は少し高めで合わせます。
手で押して全く沈み込まない敷布団なら、枕は低めにします。
◆寝具の硬さと素材について
人が一晩でかく汗は、コップ一杯分にもなります。
その分、しっかりと吸水性の素材を選ばないと、布団の中が群れることになります。
すると行き場を失った湿気は水分となって布団の繊維に結露し、
体を冷やす原因にもなります。
これから寝具を選ぶなら、吸水性のある天然素材がおすすめです。
冬場は軽く保湿性のある羽毛ふとん、夏場は清涼感野ある麻や綿がいいでしょう。
敷布団は人の筋肉くらいの硬さで、体の背中のカーブと布団の間に隙間が
できない程度。
あまり柔らかくても密着しすぎて背中のカーブが崩れます。
ふかふか過ぎず、硬すぎず、全体的に面で体を支えてくれる感覚のもの
を選びましょう。
ベッドを利用している人は、ベッドマットの上に。暑さ3㎝、幅100㎝、長さ200㎝の
ウール製のパットを引くといいでしょう。
そうすることで硬さを調整するとともに、汗を吸って湿度を保つ働きもしてくれます。
毎日使う寝具ですから、天然素材のものを選び、週に1度はカバー・シーツを
洗い、布団は天日に干すか布団乾燥機にかけるようにしましょう。
4.安眠のための運動
◆競技のための運動と健康のための運動は別物
体を適度に疲労させれば、その夜はぐっすりと眠ることができる。
これは当然のことのように思われます。
しかし、運動をしているから眠れるかというと、
それはまた違うのです。
実は運動選手の中にも不眠で悩む人が少なくありません。
不眠や睡眠の不調訴える人の中に、かなり本格的なトレーニングに
励む現役のアスリートもいます。
健康のための適度な運動と、少しでも成果を上げるために体を酷使する
トレーニングとでは、そもそも目的も内容も全く違います。
競技によってはトレーニングが体の偏った部分ばかりに負担をかけ、
結果的に姿勢に癖が作られることもあります。
例えば下半身に過剰な負担を強いるサッカーやマラソンの選手などは、
腰の痛みを訴える人が多いと聞きます。
日本では、運動というとどうしても競技志向が強くて、
ともすれば体を動かす楽しみや心地よさが忘れられがちです。
「適度に体を疲れさせる」というのは、勝敗やコンマ以下を競う
記録のために血のにじむ努力を重ねることではなく
おっと、ずっと、簡単で日常の中で体を動かす行動習慣のことです。
例えば、天気がよければ買い物には車ではなく、自転車でいう。
通勤に使う電車やバスを一駅前で降りて歩く。
いつも、モップや掃除機で簡単に済ませている掃除で、時には雑巾がけ
をしてみる。その程度のこおでいいのです。
何よりもこういう動作にはい「心地よさ」がともないます。
気持ち良いスピードで歩いたり、風を受けて自転車をこぐ爽快感
家中がピカピカになったときの達成感、そんな心地よさが、その夜の
良い睡眠を運んでくるのです。
「適度な」が大切な理由はここにあります。
やりすぎて疲れだけが残れば、次に始めようとしても
取り掛かるのが億劫になります。結局、習慣づけることが困難になります。
これに対して「気持ち良かった」という感覚を体が覚えていれば
翌日も、翌々日も、「またやろう」と思ったときに、軽く体が動きます。
こうしてよい習慣づけができればもう大丈夫です。
体が喜ぶkとをすることが、何よりの健康法なのです。