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知らぬ間にはまる「眠りの借金地獄」

「眠りの借金」測りていなくてもたまる。

「今日はちょっと寝不足だ」

「最近、睡眠不足でね」

あなたもこうした言葉を交わしたことがあると思う。

この場合、「眠りが少し足りないだけで、大した問題ではない」

というニュアンスではないだろうか。

しかし私たち眠りの研究者は、睡眠が足りていない状態を、「睡眠不足」ではなく「睡眠負債」という言葉を使って表現する。

借金同様、睡眠も不足がたまって返済が滞ると、首が回らなくなり、

しまいには脳も体も思うようにならない、「眠りの自己破産」を引き起こすからだ。

睡眠をお金として考えてみてほしい。

「1万円、お金が足りない」というとすぐに解決できるし、

大問題ではない印象だ。

一方、「負債は1万円」という場合、それはどんどん増えていく印象となる。

借金には利子が付くのだから。

つまり、「睡眠負債」とは、睡眠時間が足りないことによって、

簡単には解決しない深刻なマイナス要因が積み重なっていくという

意味を含んでいる。

言ってみれば、気づかないうちにたまる眠りの借金、それが睡眠負債なのだ。

自覚しないままに脳と体にダメージを与える危険因子が蓄積されていく。

とても恐ろしい状態だが、あまりに無頓着な人が多いのが現状だ。

飲酒運転より危険な「脳の居眠り」

アルコールや薬物を摂取した運転が危険なことはよく知られている。

睡眠負債を抱変えた人のパフォーマンスも同じように

危険なものだ。

法の規制もなく、その危険性を本人が認識していないという点では、

飲酒運転以上に危険かもしれない。

睡眠負債があると、日中の行動に大きなマイナスの影響がある。

一見、普通に起きている人でも、実はすべての機能が正常に働いていない

可能性が非常に高いと思われます。

睡眠負債については、興味深い実験結果がアメリカの

学会誌「Sleep」に発表されています。内科などの夜勤がある科と、放射線科や

内分泌科のどの夜勤がない科の医師20名を対象に、翌日の覚醒状況を比較しました。

具体的には、タブレットの画面に丸い図形が約90回ランダムに出現する

画像を5分間みて、図形が出るたびにボタンを押す、といった作業

に取り組んでもらいました。

誰でもできる簡単な、だからこそ退屈で眠くなる作業です。

その結果は驚くべきものでした。

前日に通常通りの睡眠をとっている放射線科や内分泌科の医師たちは

正確に図形に反応しました。

一方、夜勤明けの内科医は、図形が約90回出現するうち

3,4回も数秒間図形に反応しなかった。

反応しない間、なんと医師たちは眠っていたのです。

さらに恐ろしいのは、夜勤明けのこの医師たちが、

勤務時間中だったことです。

夜勤明けの医師たちが陥ったこのような状態を

マイクロスリープ「瞬間的居眠り」といい、この状態は脳波で確認

できます、

マイクロスリープは1秒足らずから10秒程度の眠りを指し、

脳を守る防御反応といわれたりもする。

つまり、防御反応が出るくらい睡眠負債は「脳に悪い」のです。

睡眠負債によるマイクロスリープの大きな問題は、

ほんの数秒であるがゆえに、本人も周囲も気づかない点にあります。

たとえば過眠症のナルコレプシーは、突然眠ってしまうという

発作が起こりますが、患者には「こういう時に起きやすい」という

自覚症状が多少あるうえ、薬を飲むといった対策もとられない。

「ただの寝不足だから大丈夫」という認識で押し切ってしまいます。

もし、運転中にマイクロスリープが起きたら?

もし、一人で海釣りをしているときに、マイクロスリープが起きたら?

もし、取引先と重要な商談中に、マイクロスリープが起きたら?

睡眠負債を抱変えている人は、常にこの「もし」が現実になる状況にあります。

睡眠に問題を抱変える人が、脳波を測定する装置をつけて

ドライブシュミレーションで運転した実験では、3,4秒、

脳波上に睡眠パターンがはっきりとでました。

見た目にはわからないし、本人も自覚はないのですが、

この間完全に眠っていました。

たかが数秒、されど数秒。仮に自足60㎞で運転していて4秒回意識が飛ぶと

、70メートル近く車が暴走したことになります。

私は少しでも眠りが足りていないと感じる時は、

絶対にハンドルを握らないと決めています。

正確にいえば怖くて握れないのです。

世界1「睡眠偏差値」が低い国日本

日本には、睡眠負荷を抱変える「睡眠不足症候群」の人が外国に比べて多い

というデータがあります。

もちラン睡眠時間には個人差がありますが、数千人程度で統計をとると

睡眠時間の分布がわかります。

なかには、後述するように100万人規模での統計もあるそうです。

フランスの平均睡眠時間は8・7時間。

アメリカの平均睡眠時間は7・5時間。

日本の平均睡眠時間は6.5時間

日本人って、私も含めて、睡眠すくないですね。

日本は少ないとはいえ、この平均睡眠時間がとれていれば、まだいいようです。

しかし、日本人には、睡眠時間が6時間未満の人が40%もいると

言われているようですね。

6時間未満というのは、アメリカでは短時間睡眠とされる数値だそうです。

さらには、ミシガン大学が2016年にインターネットで行った

兆さでは、100国中、日本の睡眠時間は最下位にランクされるそうです。

朝の満員電車などを見ると、かんがえさせられますね。

住と職が離れすぎているのではないかと、私は思います。

眠りには個人差があり、日本の首都圏では通勤電車で寝るといった

独自の状況もあり、もしも「日本人は6時間未満でも十分」なら、それでもかまわないでしょう。

しかし、私たちの調査では、6時間未満しか寝ていない日本人も、実は

「7・2時間くらい寝たい」と感じているようです。

この「眠りたい時間」と「実際の睡眠時間の差」も諸外国に比べて大きいのが実情のようです。

NHKの調査によると、睡眠時間は年々短くなっており、深夜まで覚醒している人も、珍しくないそうです。

1960年代には60%以上の人が夜10時までに寝ていましたが、

2000年ごろから20%台へと下がっています。

また、東京の平日の平均睡眠時間は5・59時間。世界の都市と比べて

ダントツにすくないですね。

日本では、都会に住む人ほど眠れていないということですね。

私にも、なんとなくわかる気がします。

そんな東京へなぜ人口が集中するのでしょうか?

私は、田舎暮らしでよくわかりませんが、サラリーマンなら、やはり、東京に本社のある企業に勤める人が多いということですね。

地方への分散化が言われながら、全然進んでいませんね。

国の機関から移転を始めれば、分散化のきっかけになるのではないかと

私は思います。あの通勤電車のあの込み具合 日本だけのようですよ。

会社勤めは大変ですね。

私は、自営業ですので、経験はありませんが、たえられないでしょうね。

私、筆者はスタンフォード大学に隣接する、のんびりしたパロアルトの自宅から

東京に来るたびに、あまりの明るさに驚いてしまう。

コンビニエンスストアや飲食店など、24時間営業の店には、深夜でも

人が多く、オフィス街のビルの灯りはなかなかきえません。

「眠らない街」は、「眠れない人」をたくさんつくりだしているようですね。

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